JAHRA(全住機構)会長挨拶
「民間から世の中を良くする時代がやってきました」
新型コロナウイルスに直面した私たちが学ばなくてはいけない事は、大事な情報はわたしたち自身で集めて精査し、最適化していかなくてはないということです。住宅業界におきましても住み手がより健康に幸福に暮らしていくためには、現状を正しく把握し、最新の情報を取りいれ、わたしたちの手で改善していく必要があります。
特に、シックハウス問題に関する室内空気中の化学物質の対策は20年前に時計の針が止まったままといってもいい状態です。どういうことかと言いますと、西暦2000年前後にシックハウス問題が社会問題となった当時によく使用されていた化学物質の対策を今でも続けているということです。
確かに、シックハウス対策の効果により当時問題となっていたホルムアルデヒド、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、p-ジクロロベンゼンといった化学物質が室内濃度指針値を超過することはほとんどなくなりました。しかしその一方で、現在でも室内には100種類を超える化学物質が存在すると言われております。そして現在もシックハウス問題が発生しています。つまり過去に規制された化学物質は代替され、いたちごっこのような状態になっております。
こういった現状にも関わらず20年前と同じ空気測定よって安全性を確認したり、「シックハウス対策済み」銘打った商品が出ていること、健康住宅や空気のきれいさを強みとする住宅メーカーや工務店がF☆☆☆☆(フォースター)建材や自然素材の使用を根拠としているケースが多々見られることに疑問を感じます。
20年前ではシックハウス対策が出来ているアピールになったかもしれませんが、現在において十分なシックハウス対策が出来ていると言えるでしょうか。
我々、JAHRAの活動の一つが真のシックハウス対策を行うために最先端の空気測定方法を取りいれること、その測定方法をJAHRA認定の空気測定士が行うことで信頼性のあるデータを取ることです。またこれらの情報は単なるシックハウス対策に留まらず、住み手がより健康で、幸福となる住環境の提案につながるデータとして提案していきます。
そして人間に優しい住宅であるだけでなく、地球環境に優しい住宅であるということも配慮し、JAHRA加盟の住宅メーカー・工務店が人の健康と地球環境に配慮した家づくりを通じて、社会に貢献できる良い住宅づくりを提案できる組織作りを目指しています。
JAHRA会長 石坂閣啓
当社団では住まいづくりをお考えの方、お悩みの方にご参加していただける勉強会を
全国で開催してまいりますので、ご参加ください。